前回の続きです。
患者さんからご質問のあった、「甘いものはしみるのに、辛いものはなぜしみないのか?」
ついでに「塩水はなぜしみにくいのか?」
甘いもの⇒唾液に溶けて砂糖水⇒その砂糖水の浸透圧のせいで⇒象牙質の中の水分が引っ張られる⇒その刺激でしみる
でしたが、では辛いものは・・・
辛いものは溶けても辛い水とはなりますが、浸透圧は普通の水とあまり変わらないからです。唐辛子の辛み成分のカプサイシンは水に溶けないので、浸透圧をあまりあげません。
そのため象牙質の中の水分が引っ張られないので、しみないということになります。
でも濃度の濃い、辛いお水だとやっぱりしみるような気もします。
この浸透圧により象牙質の中の水分が引っ張られて、歯が痛む説を動水力学説といいます。
ちなみにものすごーく化学知識がある方ならば、気づいた方もいらっしゃるかもしれませんが
この説明には矛盾があるのです。塩水についての説明ができないのです。
甘いものはしみるけど、塩水はしみないという人がいらっしゃいます。
塩は同じ量の砂糖と比較した場合、浸透圧が12倍も高いのですが、
なぜかしみないという人が多いのです。(塩を直接歯にすり込むとさすがにしみますが)
いろいろ調べましたが、説明できる専門家はいないんじゃないかな?
by すまいる総合歯科 院長 渡辺政継 愛媛県 松山市 近郊エミフル1Fです。