こんばんは。
すまいる総合歯科クリニック 院長 渡辺です。
今晩は台風4号のせいでキャンセルが出ましたので、いつもより早く帰ることができました。
帰っても、独り身ですることがないので、ブログを書くことにしました。
わたしのプロフィールのところに「ツタヤで立ち読み」とあるように私はよく立ち読みします
そのためツタヤでよく患者さん、近くの先生にお会いしますが、今ブログを見られている方も、もしかすると私を見かけることがあるかもしれません。
その際ですが、私が新書、専門書、難しい本の前にいるときには声をかけていただいても大丈夫です。
逆にマンガコーナーの前にいるときは気まずいので、声を掛けないでください。
よろしくお願いいたします。
さて、つい最近読んだ本で気になったもので「Drナグモの7日間若返りダイエット」があります。
このところよくマスメディアで取り上げられているアンチエイジング学会の南雲先生の著書です。
南雲先生の写真を見ると、なるほど56歳なのに30代の私より若く見えます。
20歳若返ることができるというので、私も10代に見られたいという欲望に負けて買ってしまいました。
内容はなかなか面白く、実践してみようかと思うこともあったのですが、
歯科医としてどうしても納得できない項目がありましたので、南雲先生の言葉に咬みついてみます
「歩くときは鼻ではなく、口で呼吸する」
呼吸をするときは吐くときも吸うときも口から。歯を閉じてその隙間からシーハー、シーハーと音を立てて呼吸します。
南雲先生いわく、鼻から花粉を入れると、それを排除しようとするアレルギー反応が出てしまうが、花粉を口から入れて徐々に慣らすことで、花粉症が治るとのこと。
「減感作療法」 の一つの手法であるらしいのですが、
実は花粉症対策には、この先生の勧める「口呼吸」とはまったく逆で「鼻呼吸」が良いという先生も多くいらっしゃいます。
気になる方はネットで「鼻呼吸 花粉症」と調べると様々な情報が出てくるので調べてみるといいかと思います。私も今回のブログの前にひと調べしてきました。
花粉症に「口呼吸」が良いのか、「鼻呼吸」が良いのかそれは耳鼻科の先生の見解におまかせするとして
私は歯科医師の立場として「口呼吸」ついて、ご説明させていただきます。
口呼吸は口腔の健康を考えた場合、辞めた方がいいです。
その理由ですが、
1、むし歯になりやすくなる
口呼吸で歯の表面が乾燥すると、唾液による食べかす、細菌の自浄作用(洗い流すこと)が働かない
さらには歯垢は乾燥すると粘り気がますのでますます残るようになる。
また、唾液による再石灰化がおこりにくくなる
2、歯周病になりやすくなる
上記と同じく、唾液の自浄作用が働かなくなるため、歯周病菌が停滞しやすい。
乾燥することで歯茎が刺激され炎症を起こす
3、出っ歯になりやすくなる。
口元の筋肉が前歯を押すことで出っ歯にならないようになっているのですが、
口呼吸では口元の筋肉の発達が弱くなるため、前歯が出やすくなる。
4、口臭が出やすくなる
口の中が乾燥するため、歯の表面に菌、食べかすが残るため口臭が出やすくなる。
5、いつも口が開いているとアホにみられやすくなる
口を開けてぼーーーーとしていると、さすがにまずいでしょ。
そもそも、いい年した人が「シーハー、シーハー」音を立てながら歩いていたら怖いですね。
夜中だったら不審者で職務質問されそうです。
上記の中でも(5は冗談にしても) 歯周病の悪化は全身の健康状態の悪化につながります。
違うブログで書くことにしますが、歯周病は糖尿病、肥満、高血圧、脳血管障害、さらには早産にも影響があることがわかっています。
これまでの診療経験から口呼吸が習慣になっている人の多くに歯周病の進行が診られます。
ですので、口呼吸はできれば改善していただくのが良いと私は信じます。
南雲先生の自己流の健康法はどうかと思います。
まあ、著書の書き方を見ると「歩くときだけ?口呼吸」と南雲先生はあいまいな表現をしているのかもしれませんが・・・。
by すまいる総合歯科 渡邊政継 動物占いでは八方美人の小鹿です、ときどき咬みつきます。