よくある質問4 「なぜ歯医者は治療期間が長いのか」
実際に質問を受けたことはあまりありません。 よくある質問というか、よくある疑問といったところでしょうか?
しかし、みなさん誰しも思ったことはあるのではないのでしょうか?
この疑問について医学面から、経営面から、法律面からご説明いたします。
あくまでも私の見解です。
まず、医学的な面から。
結論を言うと
歯科疾患は簡単には治らない。
例えば歯周病を例に取りますと、治療が必要なほどの歯周病になるには通常、数年の歳月を要します。
数年かけた悪化してしまった病気を治すためには
効果のある薬はありますが、 飲むと治るといった特効薬はありません。
なかにはメスと麻酔を使って手術しないといけないケースもあります。
また、ある程度治ったとしても油断するとすぐ再発します。
歯周病は糖尿病と同じ慢性疾患です。
糖尿病を治すためには長い期間が必要ですね。 同じように考えていただくと良いかと思います。
では虫歯はどうなのか?
虫歯は削れば治るから、何回も通う必要はなさそうと思うかもしれません。
ここですでに間違いがあります。
削れば治る? これが間違いです。
たしかに虫歯に銀歯を詰めると、噛めるようになります。
しかし、あくまでも機能を一旦リハビリしただけであり、虫歯になる前の状態に戻ったわけではありません。
虫歯治療をほかの治療に置き換えてみます。
たとえば、不慮の事故で右足を失ったとします。
苦労されてリハビリされて義足でなんとか歩けるようになりました。
これは完治したと言えるでしょうか?
極端かもしれませんが、虫歯になった歯に銀歯を詰めることもこれと同じことです。
詰めることで一見虫歯は治りましたが、
かみ合わせが多少ずれている可能性があります。そうであればいつか顎関節症になるかもしれません。
銀歯が取れるかもしれません。そうなるとまた削らないといけません。
そしてなにより、一度削った歯は虫歯になりやすいのです。
そうならないように、ただ単に削って詰めるのではなく、治療には手間と期間がかかってしまうのです。
最後に
急性の痛みを取るだけであれば、一回の通院でほとんど治ります。
しかし、歯科疾患の場合は痛みがでるくらいの状態になってしまった場合は、かなり悪化した状態です。
痛みが取れたから、「治った」「また痛くなったら行けばいいや」といったことでは
必ず、悪化します。
悪化すると歯の神経を取らないといけないかもしれません。歯を抜かないといけないかもしれません。
また歯周病が悪化すると糖尿病、高血圧、血管障害、早産、肥満等のリスクが高まります。
さらなる悪化を防ぐためには徹底した治療が必要です。
そのためには期間がどうしても必要なのです。
歯科疾患を軽く考えている方が多いのは私たちがそのことを伝えきれていないのかもしれません。
by すまいる総合歯科 渡辺政継 松山市近郊 エミフル1階です