こんにちは。すまいる歯科 院長渡辺です。
今日は以前、勤務医をしていた際にインプラント治療をした患者さんの定期健診で
大阪に来ています。 サイナスリフトという、やや難しいインプラント手術を行なって7年ほど経ちますが経過は良好で安心しました。
帰りの飛行機まで時間があるのでブログを更新している次第です。
インプラントに限らず、普段から外科的な治療が多いのが、ほかの科(内科とか整形外科とか)と違って歯医者さんの特徴かと思います。 例えば腫れた歯茎を切るのは外科の仕事ですし、ある意味で歯を削るのも外科です。 当然歯を抜くのも外科です。 大学病院に勤めている歯科医は、口腔領域のガン手術も行なっています。なので毎日、程度に差はあれ、手術をしているのが歯科とも言えます。 (歯科医院が予約制が多いのはこの為です。)
その中で一般歯科にとって、最も外科らしいのが親知らずの抜歯です。
虫歯になった親知らずを抜くだけでなく、歯茎の下、骨の中に隠れている親知らずも抜かないといけないことも多々あります。
さてその親知らずの抜歯ですが、過去に通院した歯医者さんで抜いてもらいたくても、上の親知らずはすぐぬいてもらえたなのに、下の親知らずは「うちでは抜かない」と言われたことがある患者さんも多いかと思います。
この理由についてですが
1、その歯医者さんは抜く技術がない場合
2、抜けるが神経麻痺、全身状態悪化等のリスクを伴うので、検査、設備の整った施設での抜歯が望ましい場合
3、歯を抜く労力の割に対価(いただける治療費)が少ない
などが考えられます。
ちなみに1のケースは少ないと思います。歯科医であれはほとんどの方は親知らずの抜歯を勉強しています。
実際は2、3のケースが多いと思います。
下の親知らずを抜歯する際に問題となるのが、下歯槽神経と呼ばれる下アゴの骨の中にある神経です。
私の経験では下の親知らずが歯茎のなかに埋もれている方の少なくとも5人に一人は、親知らずが神経に触れていると思われるケースがあります。
そのような親知らずを抜く際に少しでも傷つけてしまうと神経麻痺を起こすことがあります。この神経麻痺は偶発症として起こるケースが多く、歯科医側がどんなに慎重に手術をしたとしても偶然に起こってしまうケースがあります。
また、過去に心筋梗塞など大病を患った患者さんに抜歯等の手術を行う際には、医科と歯科が連携して治療を行う必要があります。 そういった場合は県病院みたいな総合病院での抜歯をお願いすることが患者さんにとって最良の選択肢であることもあるからです。
3に関してですが
患者さんからだと、私たち医療人としての使命としてあってはならないことと考えるかと思います。
ちなみに歯茎を切らないといけないような親知らずを抜いた場合、治療費はいくらなると思います?
4700円です。(薬代、再診料は別)患者さんの負担は3割だとすると1400円程ですね。
意外に安いと思った方も多いのでは?
歯茎を切らないといけないような親知らずを抜く場合、1時間近い時間、場合によってはそれ以上の時間を要することもあります。その間ほかの患者さんの予約は入れることができませんし、もし1時間で抜歯できなければ次の患者さんにご迷惑がかかります。
またもし抜歯の予約がキャンセルになってしまうと、その1時間無駄な時間となってしまいます。
さらにそこに麻酔薬、止血剤、縫合糸、使い捨てのメス、手術道具の滅菌、アシスタントの人件費、水光熱費、家賃代 などなどがかかります。さらに2の理由なようなリスクも伴います。
歯医者さんのなかには、患者さんが多くて予約が取れない状況にあるのに、抜歯のために1時間集中して、一生懸命、歯を抜いても、経営上赤字と考える方もいらっしゃいます。
ご理解いただけたでしょうか?
ちなみにすまいる歯科では、2の理由で、抜歯をすることにより何らかのリスクの可能性が高い場合でのみ、県病院での治療をおすすめしています。
それ以外はほとんどのケースで抜歯しております。
ただし、非常に時間がかかると予想される抜歯に関しては、診療時間中はほかの患者さんのご予約が取りにくくなるため、午前、もしくは午後の診療時間の最後に予約を限定しております
すまいる歯科なりの3の対策です。ご協力よろしくお願いいたします。
byすまいる総合歯科クリニック 渡辺政継 愛媛県松山市近郊 エミフル1階
診断して薬を出したら、虫歯が治る。そんな時代が来てくれることを期待しています。